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【第37回柴田錬三郎賞】佐藤究さん『幽玄F』が受賞

集英社は、柴田錬三郎さんの業績を称えて創設された「第37回柴田錬三郎賞」の受賞作を発表しました。

 

第37回柴田錬三郎賞が決定!

第37回柴田錬三郎賞が、次の通り決定しました。
選考委員は、逢坂剛さん、大沢在昌さん、桐野夏生さん、篠田節子さん、林真理子さん。

 
<第37回柴田錬三郎賞 受賞作品>

佐藤究(さとう・きわむ)さん
『幽玄F』(河出書房新社)

 
受賞者の佐藤究さんは1977年生まれ、福岡県出身。福岡大学付属大濠高等学校卒業。2004年、佐藤憲胤名義の『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、同作でデビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。2018年、受賞第一作の『 Ank: a mirroring ape 』で第20回大藪春彦賞第39回吉川英治文学新人賞をW受賞。2021年『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞第165回直木賞をW受賞。
昨年10月に刊行された受賞作『幽玄F』は、少年期から航空機に魅了され、航空宇宙自衛隊入隊後、F-35B戦闘機とその超音速の世界に取り憑かれた天才パイロットが辿った数奇な運命を描いた長編小説です。

佐藤究さんには、正賞として記念品が、副賞として300万円が贈られます。

 

柴田錬三郎賞について

柴田錬三郎賞は、「『眠狂四郎無頼控』をはじめ、不羈の想像力を駆使した数々の作品でひろく大衆の心をうち、ロマンの新しい地平を切り拓いた故・柴田錬三郎さんの業績を称えて」創設された文学賞です。

「現代小説、時代小説を問わず、真に広汎な読者を魅了しうる作家と作品」を顕彰。集英社と一ツ橋綜合財団が主催し、前年7月1日から、本年6月30日までに刊行された小説の中から、最優秀作を選びます。

 

幽玄F
佐藤 究 (著)

空と、血と。――空を支配する重力・Gに取り憑かれ、戦闘機F35-Bを操る航空宇宙自衛隊員・易永透。日本の戦後、そして世界の現在を問う、直木賞受賞第一作にして超弩級の著者最高傑作。

■絶賛の声、続々!

時間も忘れて一気読み。すごい。空が透を惹きつけたように、この小説は読者の心を掴む。何かを追い求める人間の在り方よ。
――逢坂冬馬

8ページの人名を見て「ひっ」と声が出た。かの先行作の円環を、人間の肉体が耐え得る最高速度で、虚天に移し替える。
――飛浩隆

自由に空を飛べない国、日本の悲劇を機械の官能で描き出す。ぼくらは蛇の呪いを解けるのか。
――東浩紀

天才パイロットが戦闘機Fと共に辿る、数奇な運命とは――。
「ただ私は戦闘機という機械に乗りたかっただけで、その戦闘機の飛ぶ空が〈護国の空〉だったのです」
構想5年、直木賞・山本周五郎賞W受賞の『テスカトリポカ』から2年――。
日本の戦後精神の支柱「三島由紀夫」に挑んだ、佐藤究・圧巻の第4長篇。

 
【関連】
柴田錬三郎賞 | 集英社

 


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