本のページ

SINCE 1991

あの人より、上か、下か――酒井順子さん『消費される階級』が刊行

酒井順子さんが日本人の階級意識をあぶり出す『消費される階級』が集英社より刊行されました。

 

序列、区別、差別―――表からは消え、姿を変えた「凸凹」は世の中のあちこちに

「差別や格差を無くして、様々な違いを持つ人々が全て横並びで生きていきましょう」となった昨今、表面上は序列、区別、差別は消えたものの、姿を変えた「凸凹」は、いまだ世の中のあちこちに見かけられます。

 
『負け犬の遠吠え』『下に見る人』『男尊女子』『家族終了』など、時代を切り取る名著の書き手が、日本人の根深い階級意識をあぶり出します。

 

本書「はじめに」より(一部抜粋)

人が二人いればすぐに上下をつけたくなる人間という生き物は今、もしかしたら本能なのかもしれないその「上下差をつけたい」という欲望を内に秘めつつ、「違いを認め合い、すべての人が横並びで生きる」という難題に挑もうとしています。
実は革命以上の困難を伴うものなのかもしれないその挑戦は、これからどうなっていくのか。
我々の生活の中に潜む階級の数々を見つめつつ、考えていきたいと思います。

 

「上に見たり、下に見たり」を考察する21の視点(目次)

はじめに

男高女低神話のゆらぎ
五十代からの「楢山」探し
まぶた差別と日韓問題
“親ガチャ”と“子ガチャ”
東大礼賛と低学歴信仰
『ドラえもん』が表す子供社会格差
「有名になる」価値の今昔事情
「ひとり」でいることの権利とリスク
おたくが先達、“好く力”格差
バカ差別が許される理由
ミヤコとアズマ、永遠のすれ違い
「かっこいい」、「ダサい」、「センスいい」
超高齢化時代のおばあさん格差
姫になりたい女の子と、姫として生まれた女の子
デジタル下層民として生きる
男性アイドルは無常の風の中に
世代で異なる、斜陽日本の眺め方
反ルッキズム時代の容姿磨き
モテなくていいけど、出会いたい
稼ぐ女と、使う女
遅ればせながらの金融教育

おわりに

 

著者プロフィール

酒井順子(さかい・じゅんこ)さんは、1966年生まれ、東京都出身。エッセイスト。高校時代より雑誌「オリーブ」に寄稿。立教大学社会学部卒業後、広告代理店勤務を経て執筆業に専念。

2003年に上梓した『負け犬の遠吠え』はベストセラーとなり、第4回婦人公論文芸賞と第20回講談社エッセイ賞を受賞。

『オリーブの罠』『枕草子REMIX』『女流阿房列車』『紫式部の欲望』『ユーミンの罪』『地震と独身』『下に見る人』『子の無い人生』『駄目な世代』『源氏姉妹』『紫式部の欲望』『枕草子REMIX』『百年の女』『男尊女子』『百年の女 『婦人公論』が見た大正、昭和、平成』『次の人、どうぞ!』『家族終了』』『ガラスの50代』『女人京都』『日本エッセイ小史』ほか著書多数。河出書房新社「池澤夏樹=個人編集 日本文学全集」シリーズで『枕草子』の現代語訳を担当し、2024年5月に『枕草子』は「河出文庫 古典新訳コレクション」からも刊行

 

消費される階級
酒井 順子 (著)

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です