本のページ

SINCE 1991

石井あらたさん『「山奥ニート」やってます。』を棚園正一さんがコミカライズ

2020年に発売し、2万部を超えるヒット作となった石井あらたさんのエッセイ『「山奥ニート」やってます。』がコミックになり、光文社より刊行されました。

本作を描いたのは、故・鳥山明さんとの出会いをきっかけに漫画家となり、不登校をテーマとした作品で知られる棚園正一さん。雑誌「家の光」で1年半にわたって連載し、このたび単行本となりました。

 

「家賃0円。生きるのに必要な分だけ稼いで暮らす。」

引きこもりのニートとなり、世界の破滅を期待していた原作者の石井あらたさんは、ネットで知り合ったニートの友人に誘われ、和歌山の限界集落に移住。紆余曲折を経て、廃校でシェアハウス生活を始めます。

 
近隣に住むのは高齢者ばかりで、都会とはまるで違うライフスタイル。様々な思いを抱えたニートたちとの共同生活ではぶつかることも多々ありますが、続けることで徐々に仲間が増え、いつしか”人生の心の保険”と呼べる自信を得ていたことに気付きます。

 
棚園正一さんは漫画を描くにあたり、舞台となる和歌山の共生舎を何度も訪れ、石井さんと打ち合わせを重ねました。エッセイ版とはまた違った山奥ニートたちの一面が見られる作品となっています。

 
<山奥への移住生活が話題となっている俳優の東出昌大さんの感想コメント>

「生きてりゃいい。けど、ニートだろうが『楽しく生きてる』なら最高じゃん!!!!!」

 

著者プロフィール

 
■漫画:棚園正一(たなぞの・しょういち)さん

1982年生まれ、愛知県出身。13歳のときに漫画家・鳥山明さんと出会い漫画家を目指す。2015年、自身の小・中学校時代の不登校経験を描いた漫画『学校へ行けない僕と9人の先生』(双葉社)が注目を集める。

そのほかの著書に『学校へ行けなかった僕と9人の友だち』(双葉社)、宮本亞門さん・山田ルイ53世さん・町田そのこさん・キンタロー。さんらの不登校・いじめ体験をマンガ化した『マンガで読む 学校に行きたくない君へ』(ポプラ社)など。テレビ、ラジオ、新聞などメディア出演多数。全国各所で不登校をテーマとした講演を行っている。

 
■原作:石井あらた(いしい・あらた)さん

1988年生まれ、愛知県出身。大学に進学するが、引きこもりとなり中退。ネットを通じて知り合ったニート仲間に誘われ、2014年3月から和歌山県の山奥に移住。ブログ等を通じて集まったニートたちと一緒に、紀伊田辺駅から車で100分、人口5人の限界集落に暮らし、2017年11月の結婚を機に山奥と町を行ったり来たりの2拠点生活に。2024年2月に山奥ニートをやめた。

著書に『「山奥ニート」やってます。』(光文社)がある。

 

マンガ「山奥ニート」やってます。
棚園正一 (著), 石井あらた (原著)

「生きてりゃいい。けど、ニートだろうが『楽しく生きてる』なら最高じゃん!!!!」
山奥生活でおなじみ役者の東出昌大さん激賞!

4刷2万部越えの人気エッセイ『「山奥ニート」やってます。』(原作:石井あらた)がコミックになりました。

働きたくないけど、生きるのに必要な分だけ稼いで暮らす。
和歌山の廃校に集まったニートたちは、共同生活を続けることで自信を持ち、“人生の心の保険”を得たことに気付く――。
世界の破滅を期待していた若者がたどり着いた限界集落での日々を描くエッセイです。

コミカライズの作者は、『学校へ行けない僕と9人の先生』などで知られる棚園正一氏。
「大自然とは縁遠かったニートと呼ばれる若者たちが、山奥でどうやって暮らし、変化していくのか、その悪戦苦闘ぶりにご期待ください!」(棚園)

「町の生活に疲れたときは、よかったらきみも来てみなよ。」

【もくじ】
はじめに
第1話 ハロー、ヒューストン
第2話 ニート、ウメをとる
第3話 山奥ピエール
第4話 ニート、シカを捌く
第5話 山奥ニートの結婚
第6話 山奥を去る人
第7話 山奥ニート、キレる
第8話 お母さん預かり
第9話 山奥ニートとさおりさん
第10話 余は如何にニートになりし乎
第11話 東日本大震災
第12話 仙人と会った日
第13話 山奥ニートの始まり
第14話 ニート、会議に出る
第15話 ここは自由な場所
第16話 ジョーくん
最終話 山奥ニートやってます。
あとがき 山奥ニートの真実

<原作>

「山奥ニート」やってます。
石井 あらた (著)

ひきこもりとなって大学を中退し、ネットを通じて知り合ったニート仲間と2014年から和歌山の山奥に移住。
以来、駅から車で2時間の限界集落に暮らしている。
月の生活費は1万8000円。
収入源は紀州梅の収穫や草刈りのお駄賃、ブログの広告収入など。
インターネットさえあれば、買い物も娯楽も問題なし。
リモートの可能性をフル活用し、「なるべく働かず、面倒くさい人間関係から離れて生きていく」を実現したニートが綴る5年間の記録。

■「はじめ」により抜粋
当時、僕は立派なひきこもり。
浪人、留年、中退と三重の親不孝を重ねて、その挙げ句ひきこもり。
バイトすら上手くできなくて、この社会ではどうにもやっていける気がしない。
社会の歯車にもなれない僕に、生きる価値がない。
こんなクソみたいな世界、早く滅びないかな。そう思って過ごす毎日。
そんなときに、山奥にニート・ひきこもりを集める計画を知りました。
自分を必要としない世界なんか、こっちから願い下げだ。
自分で、新しい世界を作ってやる。
僕はこの世界を捨てるつもりで、彼女も贅沢も人との繋がりも諦めて、山奥に住むことにしました。
ところが、それから6年経った今、僕には妻がいます。
お金はありませんが、ひきこもりのころよりずっと良い食生活をしています。
街からは遠く離れているけれど、人との繋がりは強くなりました。
(略)
やっていることは、ひきこもりだったころと同じなんです。
アニメ見て、ゲームして、SNSして、寝る。
ある意味では、僕はまだひきこまったままです。
村おこしとか、ビジネスを立ち上げるとか、そんな能動的なことはしません。
ただ、ひきこもる範囲は自分の部屋から、この集落に広がりました。

 


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です