万城目学さん直木賞受賞第一作『六月のぶりぶりぎっちょう』が刊行
万城目学さんが京都を舞台に生者と死者の交わりを描く、直木賞受賞第一作『六月のぶりぶりぎっちょう』が文藝春秋より6月24日に刊行されます。
京都を舞台に生者と死者の交わりを描く、マキメ節全開の最新作
万城目学さんは昨年8月に刊行した『八月の御所グラウンド』で今年1月、第170回直木三十五賞を受賞。今作はそれ以来10カ月ぶりの新刊でシリーズ第2弾、受賞後第一作となります。
本書の表題作の主人公は、大阪女学館で日本史を教える高校教師の滝川。年に一回、姉妹校である京都と奈良の女学館との合同研究発表会があり、今年の開催地である京都へ英語教師のソフィーと共に出張。口が達者な京都女学館の教師・岡島藤吉郎と合流し市内観光に繰り出します。その夜、居酒屋「うつけ者」でしこたま酔っ払った彼女はどうやって宿に帰ったかの記憶がなく、朦朧としながら目覚めると、「天下」という部屋で銃撃された死体を発見。その宿泊客の名は「織田様」だという――。
もう一篇は「三月の局(つぼね)騒ぎ」。大学で男子禁制の女子寮に住む謎の先輩キヨ。五山の送り火を特等席で見られる部屋に住む彼女は、なんと十四回生以上という噂だが、なぜキヨは大学を退学せずに寮に居続けられるのか。こちらは『八月の御所グラウンド』を読んだ方にとってはちょっと嬉しい発見もあります。
静かな余韻と感動に包まれる「三月の局騒ぎ」と、ハチャメチャ&摩訶不思議なマキメ・ワールド全開の「六月のぶりぶりぎっちょう」の2篇を収録した最新作。生者と死者が交わる「京都の奇跡」をふたたびお楽しみ下さい。
万城目学さん コメント
日本史最大の謎〝本能寺の変〟に挑んじゃいました。
さらに連続密室殺人にも!
歴史好き、ミステリー好きに怒られないだろうか。
全方位にチャレンジングな小説です。
京都という街で生者と死者が交わるというコンセプトは『八月の御所グラウンド』と対になっていますが、『六月のぶりぶりぎっちょう』収録の二篇では死者がもう少し、生者の近く、隣りにいるような感覚です。
静と動、ふたつの都のかおりを楽しんでください。
著者プロフィール
万城目学(まきめ・まなぶ)さんは、1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒業。2006年に『鴨川ホルモー』でデビュー。同作のほか、『鹿男あをによし』『偉大なる、しゅららぼん』『プリンセス・トヨトミ』が次々と映像化されるなど、大きな話題に。2024年1月『八月の御所グラウンド』で第170回直木賞を受賞。
その他の著書に『かのこちゃんとマドレーヌ夫人』『とっぴんぱらりの風太郎』『悟浄出立』『バベル九朔』『パーマネント神喜劇』『ヒトコブラクダ層戦争』などがある。
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