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現役書店員が本屋さんで起こる笑いあり涙ありのドラマを綴った『書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ』が刊行

現役書店員・森田めぐみさん著『書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ』が大和書房より刊行されました。

 

こんなへんてこりんでおもしろい職業ってないかも!

本書は、現役書店員さんが、さまざまな悩みを抱えてやってくるお客様に、ぴったりの本をすすめまくる、笑いあり涙ありの本屋エッセイです。

 
書店には様々な本を求めるお客様がいらっしゃいます…例えば

・プロポーズするとき指輪と一緒に本を贈りたい
・入院中の本を読まない妻に本をプレゼントしたい
・ワンオペ育児がつらすぎて…
・歴史マニアの彼と旅行に行くことになったが私は歴史に詳しくない
・留学する息子に本を贈りたい
・夫に料理をしてもらうには?
・ワンオペ育児がつらすぎて…
・猫好きな友達に贈る本は?
・ビブリオバトルで「サスペンス」がテーマなら?
・疲れすぎて本も読めなくなったら…

…などなど。そんなお客様にぴったりな本をおすすめします!

 

本書「はじめに」より

8年ほど前のことになるでしょうか。
夫の転勤で地元を離れることになった私は、とてつもなく暇を持て余していました。

 
仕事を辞め、やって来た石川県。下の娘がちょうど小学校に上がるタイミングで急にやってきたひとり時間を、はじめの頃こそ趣味の読書に費やしていたのですが、すぐにそんな日々にも飽きてきてしまい・・・・・・。
今思うと導かれていたのかもしれません(大げさ)。 ある日、「 はー、つまらんつまらん!」とため息をつきながら立ち寄った書店併設のカフェで座った席の目の前に、カフェスタッフ募集のポスターが貼り出されていたのです。
・・・・・・よし、働こ。

 
思い立ったが吉日。すぐさまその書店の文具売り場で履歴書を買い、外の撮影機で証明写真を作り、その日のうちにポストに投函しました。志望動機には、読書とコー- ヒーが好きだということを情熱的にしたためて。

 
数日後、カフェの担当者から電話があり、その翌日には面接へ。とんとん拍子とはこのことだ! と思ったのですが、面接に行ってみると、面接官の様子がどうにもおかしかった。
まず、見た目がカフェっぽくない。なんか、本屋さんみたいに見えるんだけど・・・・・・。
ていうか、本屋さんのエプロンしてるし。
不安はつのるが面接ですもの。ここはどうにか受かりたいところ。
「書店に併設されているカフェなのだから責任者は書店の人なのかもしれぬ」と思い直しました(長所は前向きなところ)。
しかし、面接官は私の疑問をさらに増幅させるように、書店についての質問ばかり投げかけてきます。最近読んだ本、今年話題になった本は何か。この書店について、お客としてどう思うのか。
いよいよおかしい。カフェに履歴書を送ったつもりだったが、うっかり書店の方に応募してしまったのだろうか。
怪認な顔をした私に、面接官のおじさんは言いました。
「カフェの方にご応募いただきましたが、書店で採用したいと言ったら、森田さんはどうしますか?」
「いやいや、そんな大切なことは冒頭で言ってくれよ!」とやや狼狽えはしたものの、コーヒーも好きだが本も好き。好きなものを売るんだから、ま、いっか☆
私はにっこり笑って答えました。
「採用していただけるなら、とてもありがたいです」(重ねて言いますが、前向きさが私の長所)。

 
私の書店員としての日々は、こうして思いもよらぬ形で始まったのです。

 

本書の目次

第1話 タイトルの謎を解き明かすのだ!

第2話 プロポーズの答え合わせ

第3話 仲よし夫婦&仲よし家族に、ほのぼの

第4話 読書感想文は、親にとっても一大事!

第5話 恥ずかしいタイトルだっていいんです!

第6話 実用書の陰にもドラマがあった!

第7話 子育てに、涙や白目はつきもの?

第8話 事件はクリスマスの書店で起きている

第9話 70歳過ぎても書店には刺激がいっぱい!

第10話 料理本の世界には、「ママ」がいっぱい?

第11話 親孝行息子のリクエストは、俺に任せろ!

第12話 おすすめ本対決で、本が読みたくなる!

第13話 ペットロスを癒せるのは、書店!?

第14話 書店で学ぶ、人と自分を比べない術

第15話 男性の手元にはミッキーマウスの腕時計

第16話 ダイエットは青いワンピースのために

第17話 入院のお見舞いには、元気が出る本を

第18話 留学する息子と困惑する母

第19話 少年とホラー小説と私

第20話 サンタの正体

第21話 少女漫画雑誌2冊の謎……

第22話 傷ついた心を癒すのは、エッセイ

第23話 実はインテリアマニアな書店員

第24話 思春期の相談事は書店員に

第25話 書店員とやさしいおべんとう

第26話 お母さんと書店員の話

第27話 書店員とウイルスと闘う日々の話

第28話 読み聞かせってだれのため?

第29話 結婚年目の読み聞かせ

第30話 結婚相談も、書店員にお任せ!?

第31話 ワンオペ家事育児と書店員

第32話 疲れると、本も読めなくなるんです

第33話 いくつになっても推しは尊い!

第34話 自分を好きになれる本ありますか?

第35話 この春、旅立つ君へ

第36話 美容室での、出来事

第37話 書店員、お客さまになる

第38話 強力な助っ人、現る

第39話 つらいイヤイヤ期も、過ぎてしまえば……なんです

第40話 私たちにたりないのは『きゅん』です!

第41話 お母さんだってだれかの子どもです

第42話 そろそろ、どこかへ出かけたい

第43話 今日がいちばん若いんだから

第44話 クリスマスが今年もやってくる!

第45話 年末年始におうちに帰れる幸せ

第46話 お菓子作りは本を選ぶ時間から始まるんです

第47話 好きなものが家を圧迫するんです

第48話 節約は、我慢ではないのだ!

第49話 家族あっての家だから

第50話 猫って、特別な生きものだと思います

第51話 遠くにいても気になる、夫(の健康)について

第52話 私が若くないってことは親も当然もう若くないわけで

第53話 キャンプはお好きですか?

第54話 40代、メイクも人生も楽しんだもん勝ちだと思います

第55話 真っ只中はすごくつらいのだけれども

第56話 自分の仕事、好きですか?

第57話 それはプレゼントではないのだけれど

第58話 卑屈になっちゃう日もあるけれど

最終話 大切な人ともいつかは別れの時が訪れるんです

 

著者プロフィール

森田めぐみ(もりた・めぐみ)さんは、1981年生まれ、茨城県出身。書店員。転勤族の夫とともに引越しをくり返している。現在は、夫、息子、娘、犬1匹、猫4匹と暮らしながら、東京の片隅の書店に勤務中。

仕事で扱う重い本の箱に加え、犬猫のお世話で腰を痛めがち。好きなものは、家、動物、おいしいごはんとビール。苦手なものは、グミとキャラメル、ぼーっとすること。些細なことでよく笑いよく泣き、もういい大人なのに、ついふざけ過ぎてしまうことが悩み。「読んでもためにならないことを書く」をモットーに日々の生活をインスタグラムで綴っている。

 

書店員は見た! 本屋さんで起こる小さなドラマ
森田めぐみ (著)

現役書店員さんが、さまざまな悩みを抱えてやってくるお客様に、ぴったりの本をすすめまくる、笑いあり涙ありの本屋エッセイ!
今からすぐ本屋さんに行きたくなります!

 


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