「命をかけて最下位を脱出するんだ」増田俊也さん自伝的青春小説『七帝柔道記』11年ぶりの続編が刊行
北海道大学柔道部を舞台にした増田俊也さんの自伝的青春小説『七帝柔道記』の続編『七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり』がKADOKAWAより刊行されました。
「命をかけて最下位を脱出するんだ」あの日の少年は青年となり、因縁の戦いに向かう――血と汗と涙と、笑いと感動の青春小説
『七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり』は、旧帝国大学七校(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、京都大学、大阪大学、九州大学)のみで戦われる寝技中心の「七帝柔道(ななていじゅうどう)」に青春のすべてを捧げる、北大柔道部員たちの姿を描いた自伝的小説です。
前作『七帝柔道記』(単行本 2013年2月/KADOKAWA刊)は、主人公・増田が下級生時代の物語。年に一度開催される「七帝戦」で優勝するというただ一つの目標に向かって、想像を絶する練習の日々を送る北大柔道部員たち。
著者の増田さんが夭折(ようせつ)した後輩への鎮魂歌として「泣きながら書き続けた」というこの小説は、柔道の話でありながら誰もが共感する普遍的な人間ドラマと評され、各界で大反響を呼びました。
続編を望む声も数多く寄せられ、11年の時を経て満を持して刊行された本作品。最下位から這い上がり、かつて無敵を誇った名門・北大を復活させるため、副主将となった増田が部内外の仲間たちに支えられながらチームを率いていく、涙と笑いと感動の物語です。圧巻の試合シーンは必読です。
〈七帝柔道(ななていじゅうどう)について〉
この七帝柔道は、北大のほか、東北大・東大・名大・京大・阪大・九大の旧帝国大学七校だけに戦前から受け継がれる特異な柔道で、寝技技術だけが発達し、試合が始まるや両者とも寝て延々と寝技を戦う。立技をかけずに自分からいきなり寝る「引き込み」が許されているからだ。また、場外がなく勝負は一本勝ちのみ、寝技膠着(こうちゃく)の「待て」もないデスマッチルールである。
(本文より抜粋)
前作を超える血と汗と、涙――最後の夏に挑む、続編『七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり』あらすじ
意味があるかは分からない。「それでも、勝ちたい」
15人vs15人の団体戦、一本勝ちのみ、場外なし、参ったなし。旧七帝国大学のみで戦われる、寝技中心の異形の柔道「七帝柔道」。それに憧れ、増田俊也は2浪の末に北海道大学に入学した。しかしかつて無敵を誇った名門・北大柔道部は、旧七帝大同士で競う大会・七帝戦で、2年連続最下位であった。さらに増田の1年、2年の七帝戦でも1勝も出来ず、主力の上級生たちはみな引退してしまう。かつてない絶望的なチーム状況の中、果たして北大、復活なるか。副主将となった増田は主将の竜澤とともに、部内外の仲間たちに支えられながらチームを率いていく――。
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◎『七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり』:https://kadobun.jp/trial/nanateijudoki2/entry-87768.html
◎『七帝柔道記』:https://kadobun.jp/trial/nanateijudoki/entry-87769.html
著者プロフィール
増田俊也(ますだ・としなり)さんは、1965年生まれ、愛知県出身。2006年『シャトゥーン ヒグマの森』で「このミステリーがすごい!」大賞優秀賞を受賞しデビュー。
2012年『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』で大宅壮一ノンフィクション賞と新潮ドキュメント賞をダブル受賞。2013年『七帝柔道記』で山田風太郎賞候補。
他著に『VTJ前夜の中井祐樹 七帝柔道記外伝』『北海タイムス物語』『猿と人間』など。現在、名古屋芸術大学芸術学部客員教授。
![]() | 七帝柔道記II 立てる我が部ぞ力あり 増田 俊也 (著) 前作を超える血と汗と、涙――。 最後の夏に挑む、灼熱の青春小説! 装丁:天野昌樹 |
<既刊>
![]() | 七帝柔道記 (角川文庫) 増田 俊也 (著) 青春小説の金字塔! ○「尋常ではないスポーツバカたちの異界。大笑いしながらよんでいたのに、いつの間にか泣かされてました」(森絵都/作家) このミス大賞出身の小説家、増田俊也が大宅賞と新潮ドキュメント賞W受賞作「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」に続いて出したこの自伝的青春小説は、各界から絶賛され、第4回山田風太郎賞候補にもノミネートされた。 主人公は、七帝柔道という寝技だけの特異な柔道が旧帝大にあることを知り、それに憧れて2浪して遠く北海道大学柔道部に入部する。 偏差値だけで生きてきた頭でっかちの7大学の青年たちが、それが通じない世界に飛び込み、今までのプライドをずたずたに破壊され、「強さ」「腕力」という新たなる世界で己の限界に挑んでいく。 性別や年齢を超えてあらゆる人間が共有し共感できる青春そのものが、北の果て札幌を舞台に描かれる。 |
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