【第74回芸術選奨】柴崎友香さん、乗代雄介さん、井上雄彦さん、田村由美さんらが文部科学大臣賞を受賞
文化庁は2月28日、芸術各分野で優れた業績を挙げた方、新生面を開いた方に贈る「令和5年度(第74回)芸術選奨」文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者を発表しました。
第74回芸術選奨文部科学大臣賞および同新人賞の受賞者が決定!
令和5年度(第74回)芸術選奨では、文部科学大臣賞には12部門で23名と1組の方が、新人賞には計23名の方が選ばれました。主な受賞者と業績は次の通りです。
■文部科学大臣賞
<文学>
◎柴崎友香(しばさき・ともか)さん〔小説家〕
「続きと始まり」の成果
◎乗代雄介(のりしろ・ゆうすけ)さん〔小説家〕
「それは誠」の成果
<メディア芸術>
◎井上雄彦(いのうえ・たけひこ)さん〔漫画家・アニメーション監督〕
「THE FIRST SLAM DUNK」ほかの成果
◎田村由美(たむら・ゆみ)さん〔漫画家〕
漫画「ミステリと言う勿れ」ほかの成果
<評論等>
◎鈴木聖子(すずき・せいこ)さん〔大阪大学大学院助教〕
「掬われる声、語られる芸 小沢昭一と『ドキュメント 日本の放浪芸』」の成果
◎マイク・モラスキーさん〔早稲田大学教授〕
「ジャズピアノ――その歴史から聴き方まで」(上・下)の成果
■文部科学大臣新人賞
<文学>
◎高瀬隼子(たかせ・じゅんこ)さん〔小説家〕
「いい子のあくび」の成果
<評論等>
◎原瑠璃彦(はら・るりひこ)さん〔静岡大学専任講師〕
「洲浜論」の成果
◎堀朋平(ほり・ともへい)さん〔音楽学者〕
「わが友、シューベルト」の成果
全部門の受賞者の一覧および受賞理由、選考経過など詳細は、https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/94011601.html をご覧ください。
なお、贈呈式は3月12日(火)に都内ホテルにて開催されます。
芸術選奨について
「芸術選奨」は、芸術各分野において、優れた業績を挙げた者、またはその業績によってそれぞれの部門に新生面を開いた者を選奨し、芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞を贈ることによって芸術活動の奨励と振興に資するものです。
演劇、映画、音楽、舞踊、文学、美術A、美術B、メディア芸術、放送、大衆芸能、芸術振興、評論の12部門にて実施され、受賞者には賞状と、大臣賞には120万円、新人賞には80万円の賞金が贈られます。
★歴代の受賞者:https://www.bunka.go.jp/seisaku/geijutsubunka/jutenshien/geijutsuka/sensho/index.html
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![]() | ジャズピアノ: その歴史から聴き方まで (上) マイク・モラスキー (著) ジャズ演奏を裏から支えるピアノを手掛かりに、全く新しい切り口からジャズの歴史をたどる。外国語文献を駆使し、印象論を越えた、具体的な聴きどころ、鑑賞のヒントに満ちた、類書のないジャズ論。繰り返し聞いていた演奏が、新鮮に聞こえてくる! 上巻は、ジャズの誕生からビバップ、クールジャズの成立まで。 |
![]() | いい子のあくび 高瀬 隼子 (著) 芥川賞受賞第一作。 郷里の友人が結婚することになったので式に出て欲しいという。祝福したい気持ちは本当だけど、わたしは結婚式が嫌いだ。バージンロードを父親の腕に手を添えて歩き、その先に待つ新郎に引き渡される新婦の姿を見て「物」みたいだと思ったから。「じんしんばいばい」と感じたから。友人には欠席の真意を伝えられずにいて……結婚の形式、幸せとは何かを問う(「末永い幸せ」)ほか、社会に適応しつつも、常に違和感を抱えて生きる人たちへ贈る全3話。 |
![]() | 洲浜論 原瑠璃彦 (著) 海辺から日本を見る――。 平安時代には盛んに用いられるも、時代が進むにつれて抑圧され周縁的なものとなっていった、〈洲浜〉というモティーフは、しかしながら、その吉祥性・清浄性・聖地性をもって「日本らしさ」の指標となり、日本文化の奥底で密かに息づき続けてきた――。 |
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