「第9回新潮ミステリー大賞」寺嶌曜さん〈大賞〉受賞作『キツネ狩り』が刊行 五条紀夫さん〈最終候補作〉『クローズドサスペンスヘブン』も文庫に
2022年の第9回新潮ミステリー大賞で大賞を受賞した寺嶌曜さん著『キツネ狩り』が書籍化され、新潮社より3月29日に刊行されました。
また、最終候補に残っていた五条紀夫さん著『クローズドサスペンスヘブン』も新潮文庫より同日発売されました。
選考委員全会一致!〈大賞〉受賞作『キツネ狩り』
第9回新潮ミステリー大賞で全応募作194篇のなかから大賞に選ばれた寺嶌曜さんの『キツネ狩り』は、選考会では「物語の骨格がしっかりしており、見せどころも充分」(貴志祐介さん)、「発想が斬新で文句なしの良作」(道尾秀介さん)、「設定がよく生かされていて、徐々に犯人に迫る緊迫感にワクワクしました」(湊かなえさん)と、選考委員3氏が異口同音に絶賛した作品です。
【あらすじ】
目の前に犯人がいるのに逮捕できない――大胆不敵な新警察小説、誕生
三年前のバイク事故で右眼を失明した警察官の尾崎冴子は、訪れた事故現場でその一部始終を目撃する。以来、尾崎の右眼は三年前の光景を映すようになった。それを知った署長の深澤は尾崎の信頼する弓削警部補と共に、未解決一家四人殺害事件の再捜査に乗り出すが――。
<寺嶌曜(てらしま・よう)さん プロフィール>
1958年生まれ、大分県出身。グラフィックデザイナー。福岡県在住。『キツネ狩り』で第9回新潮ミステリー大賞を受賞。
面白すぎて異例のいきなり文庫化! 最終候補作『クローズドサスペンスヘブン』
全員既に死んでいる「あきらめ」が通奏低音という、新しい読み心地がもたらす独特な哀しみとおかしみ。この上なく美しいラストシーンが秀逸。
――道尾秀介さん
夢中になって読みました。全体を通じて破綻した箇所が見当たらない、完成度の高い作品だと思いました。
――湊かなえさん
【あらすじ】
俺は、間違いなく殺された――。なのに、ここはどこだ?
気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。姿の見えない配達人から毎朝届く不思議な新聞によると、ここは天国屋敷で、現世で惨殺された6人が記憶をなくした状態で天国に返り咲いたらしい。俺は、誰だ? なぜ、誰に殺された?
館ものクローズドサークルに新風を吹き込む、“全員もう死んでる”系ミステリー、爆誕。
<五条紀夫(ごじょう・のりお)さん プロフィール>
小説家。2022年『クローズドサスペンスヘブン』で新潮ミステリー大賞最終候補。
新潮ミステリー大賞について
新潮ミステリー大賞は、新潮社が主催し、2014年にスタート。日本推理サスペンス大賞、新潮ミステリー倶楽部賞、ホラーサスペンス大賞の後継と位置付けられた公募の文学賞です。
大賞受賞者には賞金300万円が贈られ、大賞受賞作品は新潮社から単行本として刊行されます。また、東映が後援しており、最終候補作を対象に映画化が検討されます。
『チェレンコフの眠り』が第35回山本周五郎賞候補となった一條次郎さん、短篇集『#真相をお話しします』で話題の結城真一郎さんらを輩出してきました。
キツネ狩り 寺嶌 曜 (著) |
クローズドサスペンスヘブン (新潮文庫nex) 五条 紀夫 (著) |
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