R-18文学賞受賞作家・清水裕貴さん〈人と繋がる土地の記憶の物語〉『海は地下室に眠る』が刊行

清水裕貴さん著『海は地下室に眠る』
2018年に「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞した清水裕貴さんの初長編小説『海は地下室に眠る』がKADOKAWAより刊行されました。
舞台は千葉・稲毛! 人と繋がる土地の記憶の物語『海は地下室に眠る』
本書は、現代と戦時下の千葉が交差するヒューマンドラマです。さまざまな人がたずさわった歴史が自分を作り、自分もまた歴史の一部になっていくことを実感させてくれる一作です。
【あらすじ】
過去と現在を繋ぐ、土地の記憶の物語。
稲毛海岸近くの古い洋館・伝兵衛邸の地下から、正体不明の絵画が発見された。ドレスを翻し踊る女を描いたその絵は、過去にこの地域で流行っていた“見てはいけない”絵の怪談を思い出させるという。
学芸員のひかりは、絵について調べようとしていたところに映像作家の黒砂からある資料を預かる。千葉一の花街として栄えた蓮池にまつわるインタビューを集めたその資料では、ひかりの祖母が”流転の王妃”として知られる嵯峨浩(さが・ひろ)との戦前戦中期の交流について語っていた。
絵画の出所、祖母の記憶、“見てはいけない”絵の怪談。
欠片を繋ぎ合わせると、運命に翻弄された女たちの姿が浮かび上がる。
<作中登場スポット紹介>

本書の舞台である千葉・稲毛をイラストマップにしました。
本書を片手に、実際のスポットを訪れてみるのもオススメです!
著者プロフィール
著者の清水裕貴(しみず・ゆき)さんは、1984年生まれ、千葉県出身。武蔵野美術大学映像学科卒。写真家、グラフィックデザイナーとしても活動している。2016年、三木淳賞を受賞。
2018年「手さぐりの呼吸」で「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞しデビュー。選考委員からは静謐でうつくしい筆致を絶賛された。2019年に同作を改題し収録した初の単行本『ここは夜の水のほとり』を刊行。他の著作に、『花盛りの椅子』がある。
海は地下室に眠る 清水 裕貴 (著) 謎の絵画に秘められた、戦時を生きた女たちの過去。 稲毛海岸近くの古い洋館・伝兵衛邸の地下から、正体不明の絵画が発見された。ドレスを翻し踊る女を描いたその絵は、過去にこの地域で流行っていた“赤いドレスの女”の怪談を思い出させるという。 装画:荻原美里 |
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