【訃報】作家・小林泰三さんが死去 『玩具修理者』『アリス殺し』など
癌で闘病中だった作家の小林泰三(こばやし・やすみ)さんが11月23日、大阪府内の病院で死去しました。58歳。京都府出身。葬儀は近親者で済ませました。早川書房、東京創元社などが公式サイトで発表。
小林泰三さんは、1962年生まれ。大阪大学基礎工学部卒業、同大学院基礎工学研究科修了。1995年「玩具修理者」で第2回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞し、翌年に同作を収録した短編集『玩具修理者』でデビュー。同作は2002年田中麗奈さん主演で映画化されています。
SF、ホラーからミステリまで幅広く活躍し、2012年『天国と地獄』で第43回星雲賞(日本長編部門)、2014年『アリス殺し』で啓文堂大賞文芸書部門、2017年『ウルトラマンF』で第48回星雲賞(日本長編部門)を受賞。
ほかの著書に『海を見る人』『大きな森の小さな密室』『パラレルワールド』『ΑΩ』『人獣細工』『肉食屋敷』『家に棲むもの』『密室・殺人』『人外サーカス』、『未来からの脱出』、『アリス殺し』から始まる〈メルヘン殺し〉シリーズ(『クララ殺し』『ドロシイ殺し』『ティンカー・ベル殺し』)など。
玩具修理者 (角川ホラー文庫) 小林 泰三 (著) 玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。壊れたものを一旦すべてバラバラにして、一瞬の掛け声とともに。ある日、私は弟を過って死なせてしまう。親に知られぬうちにどうにかしなければ。私は弟を玩具修理者の所へ持って行く…。現実なのか妄想なのか、生きているのか死んでいるのか―その狭間に奇妙な世界を紡ぎ上げ、全選考委員の圧倒的支持を得た第2回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作品。 |
アリス殺し (創元推理文庫) 小林 泰三 (著) 不思議の国の住人たちが、殺されていく 大学院生・栗栖川亜理は、最近不思議の国に迷い込んだアリスの夢ばかり見ている。ある日ハンプティ・ダンプティが墜落死する夢を見た後大学に行ってみると、玉子という綽名の男が屋上から転げ落ちていた。次に見た夢の中でグリフォンが生牡蠣で窒息死すると、現実でも牡蠣を食べた教授が急死。そして不思議の国では、三月兎と頭のおかしい帽子屋が犯人捜しに乗り出していたが、なんとアリスが最重要容疑者に……。悪夢的メルヘンが彩る驚愕の本格ミステリ! |
ウルトラマンF (ハヤカワ文庫JA) 小林 泰三 (著), 後藤正行(円谷プロダクション) (イラスト) 最も気高く、最もしなやかで、最も強く、そして最も美しい ウルトラマンが去った後の地球で――世界各国は、異星人や怪獣に対抗できる新戦力の開発を進めていた。科学特捜隊の井手光弘はメテオールの実用化に成功する。翻ってインペイシャント博士は、巨人兵士を非人道的な方法で造り出していた。各国の利害が剥き出しになった開発競争のさなか、早田進に関係する実験の事故に巻き込まれた富士明子。彼女は、かつてメフィラス星人に操られていた、あのときの姿へと戻ってしまう! ※単行本に収録しました「フジ隊員のこと」に加え、文庫版書き下ろしとして小林泰三さんの「私的怪獣事典」を収録しております。 装画/後藤正行(円谷プロダクション) |
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