キム・ウォニョンさん『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』が点字本を含む7形態で刊行
キム・ウォニョンさん著『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』(訳:五十嵐真希さん)が小学館より刊行されました。同書は、通常の書籍のほか「電子書籍(リフロー型)」「オーディオブック版」「テキストデータ版」など7形態での刊行となっています。
点字本を含むバリアフリーな読書体験! 『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』異例の7形態で刊行
2019年6月21日、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律「読書バリアフリー法」が成立しました。本法は、文化的な活動、特に読書環境についても整備し、誰もが平等に読書体験が可能な環境を目指して施行されました。
本法施行を受けて小学館は、2021年に「アクセシブル・ブックス推進室」を設立。本法施行後、出版界の中でも率先して障害当事者の読書環境の整備に取り組んできました。
そしてこの度、小学館は障害当事者による障害をテーマにした書籍『だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない』を通常の書籍のほか「電子書籍(リフロー型)」「オーディオブック版」「テキストデータ版」(※1)、また、日本点字図書館(※2)の協力を得て「テキストDAISY版」「音声DAISY版」「点字版」の7つの形態で刊行することを決定。本書は2018年に韓国で発行、発売から4年たった今でも多くの人に読まれているベストセラーを翻訳したものとなります。
特に、2022年新語・流行語大賞にノミネートされた記憶も新しい「オーディオブック」は、移動時間や家事中の読書体験として注目される一方、文字を追うことに困難のある方が本を楽しめる新しい読書体験としても大変注目されています。また、通常長い時間をかけて、必要に応じて提供される「テキストデータ版」「テキストDAISY版」「音声DAISY版」「点字版」の制作が発売時から発表されるのは極めて異例で、今まで新刊を読むことが難しかった、視聴覚障害者などの読書困難者の方々にも変わらない読書体験を目指しました。
著者のキム・ウォニョンさんは、骨形成不全症の車いすユーザー。現在は、作家・パフォーマー・弁護士としてマルチに活躍する彼ですが、社会的マイノリティであった著者が、障害者としての人権の大切さを、そして社会との間にあるギャップを埋める方法を論理的に語った一冊となります。
※1:本書を購入された障害当事者(視聴障害・肢体不自由などの理由のある方)で、ご希望される方にはテキストデータを提供しています。提供方法は、購入書籍の巻末をご確認ください。
※2: 点字版・音声DAISY版・テキストDAISY版のご利用については、社会福祉法人日本点字図書館(https://www.nittento.or.jp/)にお問い合わせください。
著者プロフィール
著者のキム・ウォニョンさんは、ソウル大学社会科学部社会学科、同大学ロースクール卒業。作家。パフォーマー、弁護士として活動中。骨形成不全症のため車いすユーザー。
著書に『希望ではなく欲望―閉じ込められていた世界を飛び出すー』、キム・チョヨプさんとの共著『サイボーグになるーテクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて』がある。
だれも私たちに「失格の烙印」を押すことはできない キム・ウォニョン (著), 五十嵐 真希 (翻訳) すべての生には価値があり、美しい 韓国のベストセラー日本上陸! ソウル大卒の弁護士、俳優、そして骨形成不全症のため車いすユーザーの著者が、障害者や人とちがった容姿や性的指向の人々など「失格の烙印」を押されがちな人生には、価値があって美しいことを、理性的に論理的に弁論します。 「すべての人に尊厳がある」といわれても、それは現代社会ではあまりに当たり前のことで、深く考えることはないかと思います。 「ロングフルライフ(不当な生)訴訟」「合理的配慮」「ジョゼと虎と魚たち」「コーダ」「ディボティー(障害のある身体への欲望)」「三島由紀夫」…さまざまなキーワードから現代を俯瞰する、画期的な人文書の誕生です。 【編集担当からのおすすめ情報】 |
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