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【古代歴史文化賞】大賞に小畑弘己さん『タネをまく縄文人』

古代歴史文化に関する優れた書籍を表彰する「第5回古代歴史文化賞」の大賞および優秀作品賞が決定しました。

 

第5回古代歴史文化賞 受賞作品が決定

11月1日午前10時より帝国ホテル東京にて選定委員会が開催され、候補作品5点の中から大賞1点、優秀作品賞4点を選定。同日午後2時より同ホテルにて発表及び賞贈呈が行われました。

各賞の受賞作品は、次の通りです。

 
【大賞】

■小畑弘己(おばた・ひろき)さん
『タネをまく縄文人 最新科学が覆す農耕の起源』(吉川弘文館) 

 
【優秀作品賞】

■高田貫太(たかた・かんた)さん
『海の向こうから見た倭国』(講談社)

■海野聡(うんのさとし)さん
『古建築を復元する 過去と現在の架け橋』(吉川弘文館)

■松本直樹(まつもと・なおき)さん
『神話で読みとく古代日本ー古事記・日本書紀・風土記』(筑摩書房)

■吉田一彦(よしだ・かずひこ)さん
『『日本書紀』の呪縛』(集英社)

 
【選定委員】
金田 章裕さん(京都大学名誉教授/京都府立京都学・歴彩館 館長)
草野満代さん(フリーアナウンサー)
久留島典子さん(東京大学副学長 東京大学附属図書館 館長)
田辺征夫さん(公益財団法人大阪府文化財センター 理事長/元独立行政法人奈良文化財研究所 所長)
平川南さん(大学共同利用機関法人人間文化研究機構 理事/山梨県立博物館 館長)
毛利和雄さん(瀬戸内港町文化研究所 代表/元NHK解説委員)

 

古代歴史文化賞について

古代歴史文化賞は、古代歴史文化にゆかりの深い島根県、奈良県、三重県、和歌山県、宮崎県の5県により共同で実施する賞で、「古代歴史文化に関する書籍を表彰することを通して、国民の歴史文化への関心を高める」ことを目的としています。古代歴史文化普及協議会(島根県・奈良県・三重県・和歌山県・宮崎県)が主催。

選定の直近3年度に初版で出版され、学術的基盤に基づいていて、なおかつ、一般読者にとって分かりやすくおもしろい、古代歴史文化に関する書籍を対象とします。

大賞には美保岐玉と賞金100万円が優秀作品賞には賞金30万円が贈られます。

 

タネをまく縄文人: 最新科学が覆す農耕の起源 (歴史文化ライブラリー)
狩猟採集や漁撈で生活していたとされる縄文人。だが、粘土をこねて土器を成形する際に紛れ込んだダイズや貯蔵食物害虫のコクゾウムシがその常識を打ち破った。土器表面や断面の痕跡の新しい分析法から、イネやダイズの栽培開始時期を特定。土器粘土の中に眠っていた考古資料「タネ」「ムシ」が指し示す、多様で豊かな縄文時代の実像に迫る。

 
海の向こうから見た倭国 (講談社現代新書)
倭一国だけ見ていては見えないことが、朝鮮半島という「外部」の目を使えば見えてくる。古墳時代の日韓交流は、従来、倭も百済、新羅、加耶など朝鮮半島の国々も、強力な権力を有する中央(倭の場合にはヤマト王権)が鉄などの必需品の対外交易を一手に掌握し、地方の権力者に分配していたと考えられてきた。しかし近年の日韓両国の考古学の進展により、事実はもっと複雑だったことが明らかになった。日本の古墳から朝鮮系の遺物が、朝鮮半島の古墳からは倭系遺物が数多く出土する。のみならず、朝鮮半島南西部には倭独自の古墳である前方後円墳が築かれた時期さえもあった。両者の交易は多様で、その中心を担ったのは「中央」ではなく、大小様々な地方の勢力だったのだ。対外交易ルートをヤマト王権が手中に収めたのは、通説よりもかなり遅い六世紀の前半。北九州の「君主」だった磐井を倒したことで、ようやくその長いプロセスは完成した。新世代の研究者による斬新な研究アプローチ。歴史研究の醍醐味を味わうことのできる1冊。

 
古建築を復元する: 過去と現在の架け橋 (歴史文化ライブラリー)
竪穴建物や高床倉庫、寺院など、各地の遺跡の復元建物により、私たちは当時の姿を具体的に思い描くことができる。だが、その復元がどのように行われているかを知る人は少ない。発掘遺構や遺物、現存する古代建築、絵画資料など、あらゆるピースを組み合わせることで完成する復元の世界とはいかなるものか。その裏側を垣間見て、知られざる魅力に迫る。

 
神話で読みとく古代日本: 古事記・日本書紀・風土記 (ちくま新書)
『古事記』『日本書紀』は、ただの神話ではない。新しい国家の実現を目指し、大和王権が各地で口承されていた神話の力を利用して創作した、極めて政治的な“神話”である。本書では、この二つの“建国神話”をどのように読めばよいのかを説き、また「風土記」を読みとくことで、国家・地方間のダイナミックなテキストの攻防を明らかにする。地方が“建国神話”を受け入れたとき、「日本人」の自覚と、精神史上の「日本」が誕生した。その過程を目撃せよ。

 
『日本書紀』の呪縛 シリーズ<本と日本史>1 (集英社新書)
“本と日本史”は「本」のあり方から各時代の文化や社会の姿を考え、当時の世界観・価値観がどのように成立し、変化していったのかを考察する歴史シリーズ。第一巻が扱うのは『日本書紀』。歴史は常に勝者のものだった。『日本書紀』もまた、当時の権力者の強い影響下で生まれ、書物と書物の争いを勝ち抜いてきた。今日においても歴史の記述に大きな力を持つこの「正典」を最新の歴史学の知見をもとに読み解き、相対化する。本書は歴史解釈の多様性を示す『日本書紀』研究の決定版である。

 
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