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小島慶子さんが上野千鶴子さん、平野啓一郎さんら識者5人とジェンダーギャップを語り合う『おっさん社会が生きづらい』が刊行

小島慶子さん著『おっさん社会が生きづらい』

小島慶子さん著『おっさん社会が生きづらい』

小島慶子さんが識者5人とジェンダーギャップを語り合う『おっさん社会が生きづらい』がPHP研究所より刊行されました。

小島慶子さんは、アナウンサーをしていた頃から“若くて可愛い女性に価値がある”といった「おっさん的感性」に疑問を感じていました。本書は、独善的で想像力に欠けコミュニケーションが一方的で、ハラスメントに無自覚な“おっさん性”が染みついた日本社会についての考察です。

「おっさんは、私だった」と自覚した著者が、さまざまな立場から日本のジェンダーギャップ問題に警鐘を鳴らしている識者5人との対談を通して、脱おっさん社会のヒントを探ります。

 

自分の内なる“おっさん性”に気づいた衝撃

著者はもともと、年長の男性に権限や権力が集中する、構造的な問題を指摘したいと考えていました。その思いは、前出の超辛口な“おっさん性”の定義にもあらわれています。

 
しかし皮肉なことに、おっさん社会の問題点と向き合う中で、「稼いでいる者が偉い」という意識を持ち、仕事をもたない夫を見下している自分に気づいてしまったのです。

忌み嫌ってきたはずの“おっさん性”を自覚して衝撃を受け、危機感を覚えたことが、本書執筆の強い動機となりました。

 

上野千鶴子さん、平野啓一郎さんらと対談

性別や年齢を問わず、権力を振りかざす者が陥るのが“おっさん社会”です。5人の識者との対談には、おっさん社会に染まらないヒントが満載。ある時はそれぞれの専門分野から新たな視点を得ながら、またある時は自身の夫との関係を赤裸々に告白しながら、気炎を上げています。

 
◎清田隆之さん(恋バナ収集ユニット「桃山商事」代表)
◎多賀太さん(男性学を研究する関西大学教授)
◎熊谷普一郎さん(小児科医)
◎平野啓一郎さん(小説家)
◎上野千鶴子さん(東京大学名誉教授)

 
(本文より)
「独善的で想像力に欠けた一部の人間がハラスメントや差別を繰り返す“おっさん社会”をやり続けるのか、人々が皆、無理に強がることなく多様な弱さを認め合い、支え合うことで繁栄する社会に変わるのか、日本は今まさにその岐路を迎えているのだ。」

 

著者プロフィール

著者近影 写真:鈴木愛子

著者近影 写真:鈴木愛子

著者の小島慶子(こじま・けいこ)さんは、1972年、オーストラリア生まれ。エッセイスト、タレント。東京大学大学院情報学環客員研究員、昭和女子大学現代ビジネス研究所特別研究員。

学習院大学卒業後、TBSに入社。アナウンサーとしてテレビ、ラジオに出演。2010年に独立後は、各メディア出演、講演、執筆など幅広く活動。2014年、オーストラリアに移住。自身は日本で働きながら、夫と二人の息子が暮らすオーストラリアとを行き来する生活を送る。

著書に『解縛』(新潮文庫)、『不自由な男たち』(田中俊之さんとの共著、祥伝社新書)など。

 

おっさん社会が生きづらい (PHP新書)
小島 慶子 (著)

◆威圧的、話を聞かない、権力に従順――自覚症状ナシ!
◇男女問わず日本全国に蔓延する「おっさん思考」の正体とは?
◆5人の識者と語り合う「男社会の価値観」の行方

「おっさんは、私だった」――。
アナウンサーとして活躍し、現在はエッセイストとして活動する著者は、ある経験を契機に、これまで忌み嫌っていた「おっさん的な感性」――独善的で想像力に欠け、ハラスメントや差別に無自覚である性質――が、自分の中にも深く刻まれていることに気づく。

この〝おっさん性〟は、男女問わずこの日本の多くの人々の身体に、深く染みついているのではないか――。
本書はそんな日本社会に染みついた〝おっさん性〟について考察した、著者と5人の識者との対話集である。

ハラスメント、同調圧力、タテ社会の掟――
男も女も生きづらさを抱え、心を殺さねば生き延びられない、〝おっさん社会〟から脱却するためのヒントがここにある。

 


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