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【訃報】文芸評論家・加藤典洋さんが死去 『敗戦後論』『さようなら、ゴジラたち』など

文芸評論家の加藤典洋(かとう・のりひろ)さんが5月16日、肺炎のため死去しました。71歳。山形県出身。葬儀は近親者で執り行われました。喪主は妻の厚子さん。

 
加藤典洋さんは、1948年生まれ。東京大学文学部卒業。国立国会図書館勤務を経て、明治学院大学教授、早稲田大学教授などを歴任。早稲田大名誉教授。

国立国会図書館勤務時代の1982年に『早稲田文学』に評論「アメリカの影 高度成長期の日本」を発表、執筆活動に入ります。1985年に同評論を含む評論集『アメリカの影』で文芸評論家としてデビュー。1997年『言語表現法講義』で新潮学芸賞、1998年『敗戦後論』で伊藤整文学賞、2004年『テクストから遠く離れて』『小説の未来』の両著で桑原武夫学芸賞を受賞。

文学から思想、サブカルチャーまで幅広い視点で評論し、『戦後入門』『太宰と井伏 ふたつの戦後』『さようなら、ゴジラたち』『村上春樹は、むずかしい』『村上春樹の短編を英語で読む1979~2011』『3.11死に神に突き飛ばされる』『小さな天体―全サバティカル日記―』『人類が永遠に続くのではないとしたら』『言葉の降る日』『9条入門』、『日米交換船』(鶴見俊輔さん・黒川創さんとの共著)、『吉本隆明がぼくたちに遺したもの』(高橋源一郎さんとの共著)など著書多数。

 

アメリカの影 (講談社文芸文庫)
加藤 典洋 (著)

戦後日本とアメリカを根底から問う野心作。
高度成長下の日米関係から、原爆投下、無条件降伏、占領下の新憲法制定など、戦後日本の原点へと遡行し、その精神の構造を鮮やかに提示した、著者の第一評論集。

敗戦後論 (ちくま文庫)
加藤 典洋 (著)

「戦後」とは何か?
敗戦国が背負わなければならなかった「ねじれ」た国のあり方から、われわれはどのような可能性を受けとるべきなのか?自国の戦死者300万への弔いが先か、被侵略国の犠牲者2000万への謝罪が先か。発表後、大きな反響を巻き起こしたラディカルな議論の原点が、戦後60年経ったいま、ここに、文庫で蘇る。
「靖国」問題や「政治と文学」について考えるための、この先の指針となる基本書。

さようなら、ゴジラたち――戦後から遠く離れて
加藤 典洋 (著)

大きな反響と論争を巻き起こすとともに、多くの誤解にも曝された『敗戦後論』の発表から15年。その間に深化した、著者の思索は、壁が崩れ、夢が霧散した世界に、自ら選択したものとしての戦後の可能性を――そこから遠く離れつつも――未来へ向けて押し広げる。戦後思想の核心から放たれる、現状変革への意志。

 


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